ちょっと興味深い話を見つけた。今のAnthropicの時価総額は3800億ドルを超えてるんだけど、その初期投資のストーリーが本当に複雑なんだ。



2022年4月、SBFがAnthropicのB-Roundで5億ドルをぶち込んだ。当時、ChatGPTもまだ出てなくて、AIへの注目度は今ほど高くなかった。その投資が全体の86%を占めてた。もし全部が合法的だったら、今の評価額に基づいて計算すると、その時の8%の株式は理論上300億ドル以上の価値になってる。5億ドルが300億ドルになるわけだから、リターンは60倍超え。ベンチャーキャピタルの歴史でもトップレベルの利益だ。

でも問題は、その5億ドルがFTXの顧客預金だったってこと。7ヶ月後、FTXは崩壊した。

実は、SBFとDarioが同じコミュニティにいたんだ。Effective Altruism(EA)っていう、慈善活動を数学的に最適化しようっていう哲学の世界。同じアパートに住んでて、同じパーティーに参加して、同じ論文を読んでた。Darioはこのコミュニティの中で、かなり影響力のある人物たちと繋がってた。

SBFはEAの中でも特に急進的な派閥で、「稼いで寄付する」(earning to give)を信奉してた。暗号資産で大金を稼いで、それを「最大の善」に配分するっていう考え方。一方、Anthropicのミッションは「安全で強力なAIの開発」で、これはEAがAIのリスクに対して標準的に提唱してる解決策そのもの。だからこそ、SBFはAnthropicに投資した。単なる投資判断じゃなくて、同じ哲学を共有してた人たちへの資金循環だったんだ。

ただ、Darioは馬鹿じゃなかった。彼は後のインタビューで、SBFの行動に「十分なレッドフラッグ」を感じたって言ってる。だから資金は受け取ったけど、ガバナンス構造では隔離した。SBFには投票権のない株式を与えて、取締役会からは排除した。

2022年11月、CoinDeskがAlamedaの貸借対照表を暴露した。銀行引き出しラッシュが起きて、9日間でFTXは終わった。SBFは逮捕されて、2024年3月に懲役25年を宣告された。Anthropicの8%の株式を含むすべての資産は凍結された。

清算オークションで面白いことが起きた。2024年3月、8億8400万ドルの評価で第1ラウンド。アブダビの主権基金Mubadalaが5億ドルを投入した。これはSBFが当時投資した額とちょうど同じ金額だ。Jane Streetも買い手に名を連ねた。SBFの旧雇主が、元従業員が不正な資金で購入した株式を買い戻してるわけだ。

2ラウンド合計で13.4億ドルが回収された。この資金はFTXの債権者補償プールに流入した。

でもここが悔やまれるポイント。もし清算チームが売らなかったら?2026年2月、Anthropicは300億ドルのG-Roundを完了して、投後評価額は3800億ドルに達した。希釈を考慮しなければ、8%は13.4億ドルから300億ドルを超える金額に変わってた。

連邦刑務所で服役中のSBFは、現在57歳。最も早く2049年に釈放される。その間に、彼が不正な資金で投資したAI企業は3800億ドルを超える時価総額を誇り、ペンタゴンとのAI兵器化を巡る交渉を展開してる。もしすべてが合法だったら、SBFはこの時代で最もリターンの高いベンチャーキャピタリストの一人になってたはずだ。

AnthropicとSBFは同じ土壌で育った。同じEAコミュニティ、同じパーティー、同じ哲学。一方は3800億ドルのAI帝国へ、もう一方は連邦刑務所へ。その二つを結びつけた5億ドルの小切手は、今日までAnthropicの歴史上最も不思議なページのままだ。
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