米連邦準備制度理事会（FRB）の利下げという好材料ばかりに目を向けている場合ではありません。日本から市場に突然、大きな衝撃がもたらされました。

日本銀行の総裁が本日、今月にも利上げを開始する可能性を示唆する発言を直接行いました。このニュースが出ると、日本国債の利回りは一気に十数年ぶりの高水準に跳ね上がり、資金が日本に回帰する兆しが見られています。

問題はどこにあるのでしょうか？日本は米国債の最大の海外保有国で、1兆2,000億ドルもの米国債を保有しています。もし日本が金融政策を引き締め、アメリカからの資金を引き揚げ始めれば、米国債の利回りは確実に上昇圧力を受けます。

これは暗号資産市場にとって良い兆しではありません。昨日、ビットコインは8%超の急落を見せ、一時84,000ドルの節目を割り込みました。

背景にあるロジックは実にシンプルです。第一に、世界的な流動性引き締めの予想が高まり、ホットマネーが以前のように積極的に動かなくなったこと。第二に、米国債利回りが下がらず、むしろ反発するなら、FRBの利下げ余地が制約されること。この2つの要因が、リスク資産の上に重くのしかかっています。

私の判断は——短期的には無理に逆張りしないこと。日本の利上げという「靴」はまだ宙に浮いたままで、市場心理は極めて脆弱です。このような環境下では、値動きがまさに“ミンチ機”。個人投資家が取るべき最も賢明な行動は？手を出さず、観察を増やし、取引を減らすこと。慌てて底値を拾いに行ったり、ナイフを掴みに行く必要はありません。市場が自力で恐怖を消化し、明確な底打ち・安定した形が見えてから参入しても遅くありません。

今後は日本銀行の具体的な動き、そして仮想通貨市場の反発シグナルをいち早く示す先行指標に注目していきましょう。