最近なぜ市場が急変したのか？すべては日本銀行のあの一言から始まった。

まず、ここ数日間に何が起こったか整理しよう。12月2日、米連邦準備制度理事会（FRB）が突然バランスシート縮小の停止を発表した。本来ならポジティブなニュースのはずだが、翌日米国株とBTCはほとんど上昇しなかった。その前日、12月1日には日本銀行の植田和男総裁がサプライズ発言をし、市場は12月の日本の利上げ確率を一気に76%まで織り込み、日本国債利回りも新高値を記録した。さらにさかのぼると、11月29日には中国の規制当局が再び動き、仮想通貨事業が明確に規定された。

これら3つの出来事は一見無関係に見えるが、実は根本的な論理でつながっている。核心は円キャリートレードのルートが断たれたことにある。ここ数年、多くの機関が何をやってきたかというと、超低金利の円を借りて米株や暗号資産を買い、金利差と値上がり益を狙っていた。しかし今、日本が利上げを始めると、この戦略の前提が崩れてしまう。さらに厄介なのは、連鎖反応が起きることだ。資産価格が下落→強制決済で円を返済→円高が進行→さらなる資産売却、これがいわゆる「デススパイラル」だ。

今の状況はかなり矛盾している。アメリカは金融緩和を始め、日本は逆に引き締め、まるで片方がアクセル、もう片方がブレーキを踏んでいるようなもの。一般投資家にとっては短期的なボラティリティが確実に高まるが、流動性の転換点が本当に近づいているのかもしれない。カギは、この2つの力のどちらが最終的に優勢になるか、そして規制当局がさらなる措置を取るかどうかにかかっている。