Gate Research：世界的なステーブルコイン供給量は過去最高を更新｜GrayscaleはTAO Trust商品の登録申請を推進

暗号資産市場の最新動向

• BTC（4.31%｜現価格：115,308 USDT）：10月11日の急落（最安値102,000ドル付近）以降、BTCは反発傾向を示しています。現在はMA5を上回って推移し、適度なモメンタムが続いていますが、115,500ドル～116,000ドルのレジスタンスに直面しています。出来高を伴う上抜けがあれば、BTCは118,000ドル～120,000ドルの直近高値を目指す可能性があります。10月10日時点でBTC ETFは450万ドルの純流出となり、BlackRock IBITには7,420万ドルの流入、Fidelity FBTCには1,020万ドルの流出がありました。
• ETH（11.77%｜現価格：4,159 USDT）：関税報道およびUSDEペッグ乖離の影響で、ETHは10月11日に出来高主導の急落を経験し、一時3,394ドルまで下落しましたが、その後安定し力強く反発しています。現在は4,150ドル付近で推移しており、この水準を維持し出来高を伴って4,200ドルを突破すれば、4,350ドル～4,400ドルを目指す展開となります。逆に4,050ドルを割り込む場合は3,850ドル付近のサポート再試が想定されます。10月10日時点でETH ETFは1億7,400万ドルの純流出となり、BlackRock ETHAで8,020万ドル、Fidelity FETHで3,010万ドルの流出が発生しています。
• アルトコイン：主要アルトコインは小幅反発しており、市場心理は「中立」です。Fear & Greed Indexは38で“恐怖”ゾーンに位置しています。
• マクロ：10月10日、S&P 500は2.71%下落し6,552.51、ダウ平均は1.90%下落し45,479.6、ナスダックは3.56%下落し22,204.43となりました。10月13日03:00（UTC）時点のスポットゴールドは1オンス4,047ドルで取引され、過去24時間で0.73%上昇しています。

注目トークン

SNX – Synthetix（+87.3%、時価総額：609百万ドル）

Gateのデータによれば、SNXは1.77ドルで取引され、過去24時間で約87.3%上昇しています。SynthetixはEthereum上の分散型合成資産プロトコルで、ユーザーは法定通貨やコモディティ、株式、暗号資産などに価値連動したSynthsの発行・取引が可能です。SNXはこれら資産の担保として機能し、DeFiエコシステムにおける流動性レイヤーとして機能しています。

今回の急騰は主に2つの要因によります。Synthetixは第4四半期にEthereum初の分散型取引所（DEX）によるパーペチュアル契約をローンチ予定と発表し、プロトコルの取引量拡大およびトークン需要増が期待されています。加えて、10月11日の相場急落後、ファンダメンタルズが強いプロジェクトに資金は急速に流入し、SNXが反発を牽引しました。一時100%以上上昇し、2025年の高値を更新しています。また、Synthetixはメインネットでトレーディングコンペティション（mainnet trading competition）を開催予定で、上位100名のトレーダーが100万ドルの賞金を競うことで、さらなる市場注目とトークン需要拡大が見込まれます。

DASH – Dash（+50%、時価総額：720百万ドル）

CoinGeckoのデータによると、DASHは58.56ドルで取引され、過去24時間で約50%上昇しています。Dashは、即時かつ匿名性の高い取引を実現する高速で単位の細分化が可能なオープンソースP2P暗号資産で、オンライン決済に最適です。

今回の上昇は、プライバシーコイン分野の回復が主因です。Zcashがラリーを牽引し、長らく過小評価されていたこの領域に再び資金が流入しています。主要銘柄の伸びが鈍化し流動性が新たなテーマを探す中、決済・匿名性特化のプライバシー資産が再評価されています。ステーブルコインを巡る規制議論の再燃も、プライバシー決済や分散型決済への注目を高め、DASHは今後の規制枠組みにおける「代替決済レイヤー」として有力視されています。DASHは強固な決済ユースケースとネットワーク安定性を持ち、投資先として注目されています。

TAO – Bittensor（+40.1%、時価総額：39億7,800万ドル）

Gateデータでは、TAOは412ドルで取引され、過去24時間で40.1%上昇しています。Bittensorは、分散型機械学習ネットワークプロトコルであり、信頼性・インセンティブ型AIマーケットの構築を目指すオープンソースプロジェクトです。ネイティブトークンTAOは、計算資源・データ・モデル提供者への報酬や、取引手数料、ガバナンス、AIサービス利用にも用いられます。

TAO高騰の背景には、Grayscaleによる信託商品登録申請とエコシステム拡大の2点があります。GrayscaleはSECにBittensor Trust（TAO）のフォーム10（Form 10）を提出し、承認されれば保有期間の短縮（12カ月から6カ月）と流動性向上により機関投資家の参入が加速します。これは主流市場への導入に向けた重要な一歩と捉えられています。同時に、TrustedStakeとBittensorがS&P 500モデルのBittensor Universe Indexをローンチし、TAOの長期的エコシステム価値と機関投資家向けのストーリーを強化しています。

アルファ・インサイト

世界のステーブルコイン供給量、3015億ドル突破で過去最高更新

最新オンチェーンデータでは、世界のステーブルコイン供給量が3015億ドルを超え、過去最高水準に達しています。規制対応の進展や機関投資家の参入拡大を背景に、ステーブルコイン市場は加速的に拡大しています。ステーブルコインはグローバル暗号金融システムの信頼性資産クラスとして急速に定着しています。

供給量の新記録は、オンチェーン米ドル流動性への持続的需要を示しています。伝統的市場の不確実性やDeFi資産の回復に伴い、ステーブルコインは交換媒体から「暗号流動性アンカー」へと進化しています。PayPalやVisaなど主要決済事業者の参入も、ステーブルコインを主流金融インフラへと位置付けられています。今後も市場規模が拡大し、「オンチェーン・ドル化」トレンドの核心的推進力となる見込みです。

STBL（Tether共同創業者）発行USST、ペッグ乖離が継続

市場モニタリングデータによれば、Tether共同創業者Reeve Collinsが共同設立したSTBL発行USSTは、ローンチ以降ペッグ乖離が続いています。本日一時0.9620ドルまで下落し、0.9746ドル付近までやや回復しましたが、米ドルとの1:1ペッグを維持できていません。準備金メカニズムや安定性への懸念が高まっています。

ペッグ乖離は、新興ステーブルコインの透明性・準備金信頼性リスクを浮き彫りにしています。Tether共同創業者の信用があっても、市場の新たな「安定化メカニズム」への信頼構築には時間がかかります。短期的にはアルゴリズム型や実験的ステーブルコインへの投資家心理が冷え込み、規制対応・透明性・持続可能な資産裏付けが、ステーブルコイン拡大局面での長期的存続の鍵となります。

Grayscale、TAO TrustのSECフォーム10（Form 10）提出

暗号資産運用会社Grayscaleは、米国証券取引委員会（SEC）にBittensor Trust（TAO）のフォーム10（Form 10）を提出しました。この申請はTrustのSEC登録報告会社化への第一歩であり、透明性・コンプライアンス強化を目的としています。承認されればTAO TrustシェアはOTC市場での上場が可能となり、保有期間は12カ月から6カ月へ短縮、将来的なETP転換への道が開かれます。

GrayscaleのTAO Trust申請は、AI分野と伝統的資本市場の融合を示す重要な動きです。AI計算とブロックチェーンを融合したBittensorにGrayscaleがコンプライアンス支援を行うことで、「分散型AI」資産への機関投資家参入が加速します。短期的にはTAOへの市場信頼を強化し、AIやDePINなど新興テーマへのGrayscale展開の指針となります。長期的には、AI特化型暗号資産の金融主流化に向けた重要なマイルストーンとなる可能性があります。


参考資料

• Gate, https://www.gate.com/trade/BTC_USDT
• Farside Investors, https://farside.co.uk/btc/
• Gate, https://www.gate.com/trade/ETH_USDT
• Farside Investors, https://farside.co.uk/eth/
• Gate, https://www.gate.com/crypto-market-data
• Investing, https://investing.com/indices/usa-indices
• Investing, https://investing.com/currencies/xau-usd
• CoinGecko, https://www.coingecko.com/categories
• Cointelegraph, https://x.com/Cointelegraph/status/1977539963911635377/photo/1
• Geckoterminal, https://www.geckoterminal.com/eth/pools/0x55db32b79de03b2b3093063407581c98f51d37d1?utm_source=coingecko&utm_medium=referral&utm_campaign=searchresults
• X, https://x.com/Grayscale/status/1976761631263858812

Gate Researchは、ブロックチェーン・暗号資産領域の総合リサーチプラットフォームであり、技術分析、市場インサイト、業界調査、トレンド予測、マクロ経済政策分析など専門的な情報を提供します。

免責事項
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